運動をしていない理由で、上位に入っているものには次のようなものがよくあげられます。
〇 面倒だから
〇 忙しくて時間がない
〇 運動が嫌い
〇 運動が得意ではない
〇 長続きしない
〇 特に理由なし
運動をしていない方にはどれか当てはまるのではないでしょうか。
運動をしていないことで、実はいろいろな悪影響を受けているのです。
ピラティスの創始者である、ジョセフ氏も言っています。「文明が身体の健康を脅かす」
人間の歴史が始まってから、人間が今のように野外の風雨など厳しい自然から守られて、ストレスの少ない屋内での快適な暮らしになったのは、歴史的に見てそんなに昔からのことではありません。しかし、これこそが、自分自身の体の改善について常に興味を持ち、運動を継続するということが必要となってきた最大の理由でもあります。
◎運動不足が引き起こす代表的現代病【肥満と生活習慣病】
肥満とは、摂取エネルギーが過剰で、消費エネルギーが少ないと簡単に発症します。太らないと思っている人も加齢とともに若いころとは異なってきていることを実感されている方は多いのではないでしょうか。加齢とともに代謝が落ちていきますので、若いときと同じだけ食べていると、消費エネルギーが減少する分、摂取エネルギー過剰となるのです。それを補うためには運動することが必要となります。肥満は万病のもととも言われる、現代病です。
生活習慣病と一口に言っても様々なものがあります。心臓病、動脈硬化、高血圧など、健康診断で指摘を受けた方も多いのではないでしょうか。これらは、更に重篤な症状を引き起こす危険がある病気です。
◎運動不足=【ロコモティブシンドローム】の危険性が高まる
ロコモティブシンドロームとは、運動器症候群のことで、運動器の障害により要介護となるリスクの高い状態になることです。
運動器の障害とは、運動器の病気によるものと、加齢による運動器の機能不全の両方が原因として挙げられています。これは肥満とは関係がありません。運動器そのものの病気の中には、骨粗しょう症や、変形性関節症に伴うものがあります。加齢による機能不全は、運動不足によってより加速的に引き起こされるものです。運動により筋肉に刺激を与えることで、筋力低下は十分に防ぐことが可能なのですが、それはいくつになっても可能です。動かなくなる前に動かすことを継続すること、これが何より大切です。
◎【「運動すると疲れる」という大きな誤解】
「仕事でこんなに疲れているのに運動なんて」
「家事育児でクタクタなのに運動なんて」
こう思っている方は、大きな誤解をしています。
デスクワークや家事で、同じ姿勢を取っていると部分的に筋肉が緊張することで、その箇所に乳酸がたまります。体を動かしたり筋トレすることでも、糖質が分解されて乳酸が発生します。これら乳酸が疲労物質と呼ばれ、多く蓄積されると、だるさや筋肉の張りを感じ、疲労を感じるのです。運動をした場合はこの乳酸を排出しやすくなりますので、同じ姿勢を取った場合の乳酸の蓄積とは異なります。運動後の乳酸は適切に排出されていきますが、動かしていない筋肉は乳酸の排出がうまく行われず、その結果、萎縮していき、古くなったタイヤのように柔軟性がなくなり、より一層疲れやすい体となってしまいます。運動をすることが、たまった乳酸を円滑に排除していく一助となり、食事、睡眠、休養とバランスよく行うことで、運動後は「超回復」と言われる筋肉の状態が発生します。
超回復とは、運動する前の筋肉よりも、もっと強くなって回復することです。運動した時に受けたダメージを適切に休養を取ることで、それ以前よりも強い体になっていくことです。
運動をすることこそ、疲れをとる方法なのです。
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